PROJECT: LOP NUR — 砂に消えた王国の深淵

PROJECT: LOP NUR — 砂に消えた王国の深淵

昨年の晩秋、地図上に奇妙な違和感を見つけた。

Google Mapの衛星写真にだけ現れる、不自然なノイズを帯びた歪な湖の痕跡。拡大するほどに解像度は乱れ、まるで「見てはいけないもの」を覗き込んでいるかのような錯覚に陥る。

その地名は、Lop Nur(ロプノール)

かつて多くの探検家が挑んだこの地は、いまも一つの物語として語られることを拒んでいる。

人工衛星の視点が捉えるのは、湖の痕跡とも人工物とも断定できない巨大な同心円構造――通称「地球の耳」。世界が測り尽くされた現代において、ロプノールは自然と人為の境界線上で、解釈を拒むように沈黙している。

ここでシャッターを切ることは、新しい謎を暴くためではない。語る者を失い、消費される情報の中に埋もれかけた「風景の深淵」に、もう一度視線を向けるためだ。

本プロジェクトは、2026年10月の遠征本番に向けた準備の軌跡をアーカイブしていく。
歴史を辿り、装備を整え、精神を極限へ近づけていくプロセス。
ロプノールは語りかけてはこない。
だが、耳を澄ませる者には何かを残す場所だ。

この連載は、その沈黙に触れるための、長い助走である。

Image: © Google Earth / Airbus (Processed by Glacier in the Sky

INVESTIGATION LOGS — 調査・準備報告

【序章】沈黙の聖域への招待状